調剤薬局の薬剤師のお仕事

新薬候補は治験で有効性と安全性を確認されて医療現場で使用されます

既存薬の効能を上回る、もしくは全く新しい効能をもった医薬品(新薬)が開発された場合、その製造・販売には有効性、安全性、品質を厳しく審査する必要があります。製薬企業は承認を求める申請書を提出し、その内容が審査されます。また、新薬を製造する工場も厳しい基準をクリアすることが求められることから、審査の対象となります。

日本では治験データの改ざんが問題に

新薬候補の試験は、新薬候補が規格に適合しているかどうか、また動物による実験で有効性と安全性を確認する「非臨床試験」と、実際に患者さんに新薬候補を使用して有効性と安全性を確認する「臨床試験(治験)」に大別されます。

薬は必ず副作用がありますので、人を対象とした治験をする前には必ず非臨床試験をパスしていなければりません。通常、治験は4つの相(フェーズ)から成り立っており、それぞれの相をクリアできないと、次の相へ進むことはできず、新薬の開発は頓挫することになります。

第1相試験では、新しい薬の候補を初めて人に投与することになるので、最初からその新薬候補が対象としている病気の患者さんに投与するのは好ましくありません(但し、抗がん剤などの毒性の強い薬は最初から患者さんで臨床試験を行います)。

一般的には、第1相試験では、健康な人を対象(20〜30代の健康な男性が多い)として、薬の安全性、副作用の種類や程度、治療に必要とされる量を推測可能なデータなどを集めるのが目的です。

非臨床試験ではわからなかった副作用が現れることもありますので、被験者に投与される新薬候補の量は、ごくわずかな量からスタートします。安全であることが確認された段階で、新薬候補の量を少しずつ増やして、別のグループで治験を行います。新薬候補が被験者の体内でどのように吸収、代謝、排出されるかなどの検査も行われます。

厳密な定義はありませんが、第2相試験は一般的に、実際の患者さん対象として新薬候補がどれくらい効果があるのかを調べる試験です。被験者の数は第1相よりも多いですが、次の第3相試験に比べればまだまだ少ない数です。次の第3相試験は大規模な治験ですので、そこに向けて新薬候補の投与量や投与方法などを決定するのが、この試験の主な目的となります。

第3相試験は新薬候補が、多くの患者さんに対して有効なのかを調べる試験で、被験者の数は一気に増加します。この第3相試験で、新薬候補が既存薬に比べて効果が高く、かつ安全性も確保されることが確認された初めて、新薬の誕生となり、実際に医療機関で使用されるようになります。第3相試験は被験者の数も多いため費用も莫大になります。ここで有効性や安全性に問題があると判断されると、長年の歳月と莫大な開発費用が無駄になってしまいます。

最後の第4相試験は新薬が承認・販売された後に行われる試験です。実際に医療現場で様々な患者さんに新薬が使用されることで、治験ではわからなかった新たな効能や副作用が見つかることがあります。それを製薬企業へフィードバックして副作用の対処や品質改善に繋げるのがこの試験の目的です。


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